『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』 麻布競馬場 著


私の本棚 149

    出版社:集英社文庫

22作品の短編集。他人よりも優越していたい、という東京への、港区への、いい大学への、タワマンへの憧れ。しかし、その先には何があるのか。結局、この部屋からは東京タワーは永遠に見えないという、主人公たちの孤独と悲愴が描かれている。

著者は作品のなかで「お前はこの東京を自由に駆けているようで、実のところ鞭打たれながら決められたコースを競わされているかわいそうな馬だ」と記しています。