私の本棚

清水ひろしが最近読んだ本をご紹介いたします。

『スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方』山極寿一


私の本棚 51


      出版社:ポプラ新書

    スマホによって生活は便利にり、世界中の人とも連絡をとることが出来る。
    しかし、本当にプラスの面だけなのか、と著者は述べています。

    人間が信頼関係を保てるのは150人が限度であることや、スマホの世界が第一になってしまうこと、また、文字≠対話のため、文字による連絡は誤解を生みやすいことなどを指摘しています。さらに、仲間へ過剰に求めるがゆえに起きている不幸な事件も多いことも挙げています。

    そのうえで、生の世界を直観力で切り抜ける能力(必ずしも正解を導き出す必要はなく、不正解でなければいいということ)を鍛えることが大事であるとし、そのためには現実の世界と身体を使ったリアルな付き合いをする必要があると記しています。そして、仲間と一緒に過ごすことが人間の幸福につながることは、新型コロナウイルス感染症が過ぎ去ったあとも変わらないと結んでます。

    引用元
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    『スマホを捨てたい子どもたち 
     野生に学ぶ「未知の時代」の生き方』(ポプラ社刊)
     著/山極 寿一 
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『女子校礼讃』辛酸なめ子


私の本棚 52


      出版社:中公新書ラクレ

    著者は女子校(女子学院)出身者。
    学校や生徒への取材等による女子校の慣習や生徒の実情が、学生の時の思い出とともに、率直な感想とユニークな視点で記されています。御三家や大学付属など含め20校以上が登場し、文化祭や学校説明会だけでは分からない各校のカラーも知ることができます。

    私も男子校で楽しい中高6年間を過ごしました。今でも良かったと思っています。
    著者が自身のエピソードとして早弁をあげています。「今思えば、あえて授業中に食べる必要性はどこにもなかったです。ただスリルを楽しみたかったのだと思います・・・。」
    ・・・分かる気がします。

    別学、共学それぞれ良さがありますが、著者が述べている「あの6年間が生命力の源泉になっているように思います。」は、男子校で育った私も同じ思いです。

『首都感染』 高嶋哲夫


私の本棚 50


      出版社:講談社

    中国で致死率60%の強毒性新型インフルエンザウイルスが出現し、世界中の人々が感染されていく話。
    日本は、海外との往来を禁止し、感染者がすでに発見された東京の環八内側を完全閉鎖する。環八以外では感染者は発見されないが、その内側では多くの感染者と死者で溢れる。
    しかし、世界からはこの対応に称賛の声が上がる。

    10年前に執筆された作品ですが、政治の役割、非常時の対応、医師や関係者の状況、国民の感情などが描かれています。

『マンガでわかる 日本経済入門』 中野 剛志

私の本棚 48


      出版社:講談社
       
      アベノミクスが成功しなかったのは、財政支出を抑制し、デフレ脱却とは反対の政策を続けていたから、と指摘。必要なことは、財政出動を進め、賃金上昇を経済の推進力としていく「アメ型(賃金主導型)」の成長戦略を実施していくことだと述べています。

『キャプテンマークと銭湯と』 佐藤いつ子

私の本棚 47


    出版社:KADOKAWA
     
     地域のクラブサッカーチームに所属する中学生の話。お山の大将を気取って「オレ様」プレーでキャプテンをはずされた主人公の周斗。強豪チームから新たに加入した新しいキャプテンの大地。
    いら立ちを抱えた主人公は、生前の祖父と行った銭湯を見つける。そこでの出会いを通して、大地に対しての敗北感から主人公も少しずつ成長していく。

     主人公は、努力を続ける若い左官職人の比呂と銭湯で知り合います。その、比呂のことばを記しておきます。
    「ポジティブな言葉で考えたり言ったりする癖をつけると、必ず物事がポジティブに回り出すんだよ」
    「自分の中のてっぺんを目指す。自分が出来ることの最高っていうのかな。そう、自己ベストだな。自分のてっぺんを目指すし、そのてっぺんを可能な限り、もっともっと上げていくってことだ。」


    『キャプテンマークと銭湯と』作:佐藤 いつ子、絵:佐藤 真紀子 KADOKAWA

『そして、バトンは渡された』 瀬尾まいこ

私の本棚 46


      出版社:文春文庫
       
      2019年の本屋大賞受賞作。
      親の離婚や再婚によって、何人もの血の繋がらない親と暮らす主人公の優子。
      どの親にも愛情を注がれて育ち、やがて結婚を迎える。

『検証ブラックアウト 北海道胆振東部地震』 北海道新聞社

私の本棚 45


      出版社:北海道新聞社
       
      2018年9月6日午前3時7分に発生した北海道胆振東部地震に伴い、北海道全域がブラックアウトに陥った。その時に起こった事象をとりまとめた一冊です。

      電気がなければ、信号も消える、携帯電話の充電が出来ない、コンビニでも電子決済が使えない、緊急通報システムが作動しない、患者の人工呼吸器装置が動かなくなる・・・ さまざまな影響がでます。
      電源集中の課題、広い供給網、電力小売り自由化、風力・太陽光、液化天然ガス(LNG)などのエネルギー源、等についても書かれています。

      この他にも、ネットで流れるデマ情報、災害協定が機能しない状況、心理的ケア等、地震による様々な影響や被害の実態が分かります。
      あとがきには、「災害は平時から弱い立場にある人をさらに困難な状況に追い込む」と記されています。

『行動経済学の使い方』 大竹文雄

私の本棚 44


      出版社:岩波新書
       
      伝統的経済学は、人間は合理的意思決定者であることを前提としている。しかし、実際はそうではない判断や行動をする。例えば、災害被害が想定されても避難できない、老後の貯蓄が必要であっても出来ないなどである。

      実際の考えや対応、人間の行動経済学特性を把握して、より良い意思決定や行動を促すようにアナウンスしていくことを「ナッジ」という。目の付きやすいところに大事なものを置く、ということも簡単なナッジです。金銭的インセンティブや大きなコストをかけずに行動変容を起こすことだと言えます。

『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ 』こまつ あやこ

私の本棚 43


      出版社:講談社
       
      娘(小6)の夏休みの宿題、「親子読書」の一冊に読みました。

      主人公は中学2年生の花岡沙弥、マレーシアからの帰国子女。クラスに溶け込もうと、人とちがうことを怖がって、周りにどう見られるかばかり気にしている。ある日、転校生の佐藤先輩から誘われ、一緒に短歌を詠むことになる。これをきっかけに、多民族国家マレーシアでの暮らしを思い出し、ちがいに対して自分を曲げて合わせるのではなく、自分が素直に生きられる居場所をみつける沙弥の気持ちが描かれている。

      佐藤先輩、主人公の気持ちが以下のように表現されています。
      「歌会に行ったら、いろんな人に会えるの。教室だけがすべてじゃないって思える。私はそれに救われたの。」「教室でたまたま毎日一緒に過ごすことになった同い年の人とうまくいかなくても、それがわたしのすべてじゃない、落ち込むことはないんだって思えたの。」「ほんの少しでも私自身を見てくれる人がいてくれればそれでいい。それ以外の人に、どう思われるかを気にしすぎていた。」

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