Author Archives: kogakusha

『その「一言」が子どもの脳をダメにする』 成田奈緒子・上岡勇二 著


私の本棚 124

    出版社:SB新書

脳は繰り返し入ってくる刺激を重要なものだと判断してしまうため、親から子どもへ否定的な言葉がけはネガティブな脳を育ててしまう、と指摘しています。

そのうえで、親は生きていく上で本当に必要な家庭生活での「軸」2~3本のみを持って子育てをしていくことが、脳育てにおいて一番大切なことだ、と訴えています。
そして、生まれたときに「心配100/信頼0」だった子どもを、18歳で「心配0/信頼100」で送り出すために、言葉は「ロジカルに」「フルセンテンスで」伝え、「知恵者」として「一枚上手」に、子どもの能力をどんどん伸ばしてあげましょう、と述べています。

子どもの脳を育てる言葉がけ5か条
1) 「子どもの脳を育てる」ことを念頭に置く
2) 大人は子どもより「一枚上手」の「知恵者」になる
3) 子どもが不安になっているときには「オウム返し」
4) 中学生以上の子どもには「年上の友人」のつもりで接する
5) 子どもに話せる自分自身の経験(フィクションでもよい)をストックする

『セカンドキャリア 引退競走馬をめぐる旅』 片野ゆか 著


私の本棚 123

    出版社:集英社

日本では年間約7000頭のサラブレッドが生産されています。一方で約6000頭が競走馬としての役割を終えて引退していますが、その多くの行方は分かっていない実情があります。

角居勝彦 元JRA調教師のインタビュー記事からこの事実を知った著者が、引退競走馬に携わっている方々を訪ねたルポタージュ。

『兎は薄氷に駆ける』 貴志祐介 著


私の本棚 122

    出版社:毎日新聞出版

冤罪を題材にした小説。亡くなった父親の殺人容疑は冤罪だと信じる日高英之、彼が殺人罪で逮捕、公訴される。その裁判での検事と弁護士によるやりとりを通して話が進んでいく。
危険な薄氷の上で割れて呑み込まれるのは駆ける兎なのか、追い込んだつもりが誘い込まれた猟犬なのか。

『詭弁社会』 山崎雅弘 著


私の本棚 121

    出版社:祥伝社新書

「お答えを控えさせていただく」「そのようなご批判は当たらない」といった政治家の答弁。これらは「詭弁」、一見もっともらしいが、実は論理的に正しくない主張や説明である。国民や政治記者の「過剰な従順さ」や「過剰な物わかりの良さ」が政治家の詭弁をこれほど社会に蔓延させた原因の一つと言える。

著者は、詭弁を見抜くための批判的思考は、社会の倫理的破壊(モラルハザード)を回避するためにも必要な能力であり、それを備えた国民を一人でも多く増やすことは、長いスパンで見て、公益に寄与すると述べ、ウソと詭弁という二匹の怪物と本気で戦うべきだと訴えています。

『日本人という呪縛』 デニス・ウェストフィールド 著


私の本棚 120

    出版社:徳間書店

著者は在日オーストラリア人のジャーナリスト。

多様性を認めない日本の社会や集団、世界標準からかけ離れた日本のメディア、自国民を守れない外交、景気低迷を政府の経済失策と見ず、政治の変革を拒んできた国民・・・。

予定調和と現状維持を崩さないように「政治」と「官僚」と「メディア」が変革を頑なに阻んでいる。その結果、国民は社会が受け入れる基準に沿って考えさせられているということに、日本人はまず気付いて欲しいと訴えています。

日本人は意識せずに自分で自分に呪縛を与えていると指摘し、今までの「常識」を疑い、日本人的価値観に縛られていることを見つめ直し、制度やシステムから自由と人間性を取り戻すべきだ、とオーストラリアの例なども示しながら記しています。

『本を守ろうとする猫の話』 夏川草介 著


私の本棚 119

    出版社:小学館

 
「本」を本来のあり方として扱っていない人たちから、「本」を守るために猫と主人公の高校生が旅に出るファンタジー小説。

著者は解説のなかで「本」、とりわけ時代を超えて受け継がれてきた名作の価値について述べています。それらの作品を読み解くには苦労が伴うが、そのことによって人間の本性に触れる真実、時代を超える普遍性というものを感じることが出来ると記しています。

『まほうの寓話』 戸田智弘 著


私の本棚 118

    出版社:幻冬舎

 
30の寓話が解説とともに載せられており、生きていくために必要なことや教訓、判断する際のヒントが記されています。

『ツミデミック』 一穂ミチ 著


私の本棚 117

    出版社:光文社

新型コロナウイルスのパンデミックによって、日常生活は一変した。緊急事態宣言によって職を失ったり、フードデリバリー利用が増えたり、家族関係の悪化、メンタルへの影響、自粛警察やワクチン陰謀説・・・。
登場するのはそんな社会に苦しんだ人たち。怖い話やほっとする話の6つの短編集。
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一穂ミチ『ツミデミック』/光文社

『仕事の辞め方』 鈴木おさむ 著


私の本棚 116

      出版社:幻冬舎

    今年3月末で放送作家業を引退した著者が伝えたいのは、「自分の人生は自分で決めて動くしかない」「自分で大きく舵を切らないと変わらない」ということ。幸せは年とともに変わっていくし、サイズも形も人によって違う、幸せこそオーダーメイドだということ。

    これまでの仕事を通して、今の仕事にワクワクしているのか? バランスを取る立場なって若者を説得していないか(ソフト老害)? 仕事において自分の代わりはいることを自覚しているか? と問うています。
    そして、自分の人生・仕事を俯瞰で見ること、人脈は宝であり縁を増やして円にしていくこと、好奇心力を鍛えることが大事だと述べています。

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