『私の馬』 川村元気 著 


私の本棚 176

    出版社:新潮社

主人公は、造船会社に勤務し、工場の総務部で25年働く瀬戸口優子。労働組合の経理も扱っている。一言も発しない「彼女」は、乗馬倶楽部の一頭の元競走馬と「分かり合えた」と感じ、その馬「彼」に金も情熱も全てを注ぎ込んでいく。気づけば、「彼女」は労働組合の億を超えるお金に手をつけていた。

寂しさ、恋愛感情、思い込み、体で感じるコミュニケーション・・・、そんなことが描かれています。

小説の最後「そこにいたのは清々しいほどに、ただの馬だった。」は、現実の世界へ戻してくれる一行になっている気がします。

ーーー
川村元気『私の馬』(新潮社刊)