『この国は災害から国民を守れるのか』 濱口和久 著


私の本棚 185

    出版社:並木書房

新聞や月刊誌に掲載された論考をまとめた一冊。

著者は、戦後の日本人は、「最悪の事態」を考えることを放棄してきたと言っても過言ではない、と述べたうえで、濱口梧陵「稲むらの火」の逸話、地震物理学者で随筆家 寺田寅彦による日本人への警鐘を記している。

日本が「災害大国」から「防災立国」になるためには、「他人事防災」から「自分事防災」へ意識を変革し、事前防災に取り組むことであり、そのためには「災育」が必要だ、と訴えている。

災育とは「防災教育を通じて生きる力(人間力)を身に付けさせること」を意味し、受動的な防災教育ではなく、「知覚動考(とも・かく・うご・こう)」に基づく能動的な防災教育の取り組み、と定義し、小中学校段階における「防災学」の教科化、防災史(災害史)を学ぶこと、大学教職課程での防災学必修化、を提言している。