『舞台』 西加奈子
2020年1月28日
- 出版社:講談社文庫
ニューヨークに旅行している青年、その自意識過剰な心情を細やかに描いた小説。
人の目を気にし、自分を演じ、それに息苦しさを感じる主人公の意識を、程度の差こそあれ多くの人が持っているのではないだろうか。
著者は巻末のなかで、そういった息苦しく生きている人たちに自由になってほしいと同時に、でも「自分を作っててもええやん」ということを書いていて強く思うようになった。そして、状況は自分の気持ち次第で景色が変わる、このことを「舞台」で言いたかった、と述べています。