『半暮刻』 月村了衛 著


私の本棚 104

      出版社:双葉社

    主人公は二人の青年。一人は児童養護施設で育った翔太、もう一人は一流大学に通う海斗。この二人が半ぐれの経営する店で知り合う。物語は、この店の摘発から一気に展開し、それぞれのその後の人生が描かれている。

    貧困の連鎖や過労死とその隠蔽、利権、裏金、裏社会といった闇を舞台とした社会派小説。一方、外国文学を読んだことによって過去と向きえるようになっていく翔太から、本のもつ力というものも示しています。

    余談ですが、舞台設定のなかで荒川区が登場します。