『砂の女』安部公房 /『100分de名著 安部公房「砂の女」』
- 出版社:新潮文庫 / NHK出版
人間は日々、砂の中でもがいているようなものなのかもしれない。
今の状況から抜け出したい、自由になりたい、と思っている。しかし、人間は何かに帰属しなければ生きていけない。
あるいは自分の存在意義を見つけったかったり、世の中に認めて欲しいと思っている。
砂の中に閉じ込められた主人公の仁木順平は、偶然をきっかに、現実から逃げる必要性を感じなくなり物語は終わる。
変化していく主人公の心理を通して、真の自由とは何なのか、真の自由などあるのか、といったことが描かれています。
***
安部公房『砂の女』(新潮文庫)