Author Archives: kogakusha

『東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓いたのか』 中村淳彦 著


私の本棚 103

      出版社: 東洋経済新報社

    女子大生、精神疾患患者、シングルマザー、非正規労働者、パワハラ被害者・・・、当事者への取材をまとめたるルポタージュ。

    著者は取材を通じて、真っ暗な未来が見えてしまった、と述べています。そのうえで、社会が無理解のままではSOSがどこにも届かない可能性が高い。いつ誰が転落するかわからない社会である以上、貧困女子たちの声は誰にとっても他人事ではないはずであり、貧困を自分事として考え、貧困の罠が目の前に潜んでいることを知ることが必要だと訴えています。

『サイレント国土買収 再エネ礼賛の罠』 平野 秀樹 著


私の本棚 101

      出版社:KADOKAWA/角川新書

    日本の国土は、やがて全て外国人・外国法人の所有になってしまうのではないか、と不安になります。
    世界の国々は法律によって外国人・外国法人に占有されない工夫がされているが、日本にはない、と記されています。

    再生可能エネルギー事業のためとして、土地を購入した中国系企業によって森林が伐採され、太陽光パネルが並べられていく国土の状況に、そして、知らないうちに日本列島が外国に様変わりし、私たちが外国人扱いされ、母国がなくなるかもしれないということに、政界だけでなく、未必の故意を日本人一人一人が改めてほしい、と著者は訴えています。

『災害とトイレ』 日本トイレ協会編


私の本棚 100

      出版社:柏書房

    日本トイレ協会が2020年に実施したアンケートでは、災害用トイレの備蓄は20%を下回っています。「災害が起きる=トイレに困る」ということがまだ認知されていない、と指摘しています。

    災害時のトイレに関する自助、国や自治体の対策等について記されています。

清水ひろしからの手紙 103


清水ひろしからの手紙 103清水ひろしからの手紙 103

  • 「何の数字?」70.7%
    (国勢調査の荒川区における回答率(直近実施の令和2(2020)年)。)
  • 令和あらかわクリニック(女子医大 旧外来棟)は建替えへ変更
  • 特養 グリーンハイム荒川 大規模改修実施へ
  • 全国学力調査 中学校は都平均を下回る
  • 高齢者プラン、障がい者プランのパブコメを実施
  • 11月会議の本会議質問

『京セラフィロソフィ』 稲盛和夫 著


私の本棚 99

      出版社:サンマーク出版

    稲盛和夫氏の経営哲学、人生哲学が記された一冊。著者はこの本を考え方、生き方の原点だと記しています。

    一貫していることは、「考え方」の大事さ。それが自分の人生、運命を決める、と述べています。だからこそ、完全を目指す、意識を集中する、努力をしようと心がける、自分を信じる、そういった「良い考え方」しなければならないと訴えています。

『「居場所がない」人たち』 荒川和久 著


私の本棚 98

      出版社:小学館新書

    孤独は生きていることの証でもあり、「なぜ孤独を感じるのか」と自分に「問う」行動に価値があると述べています。
    また、孤独が苦しいと感じる人には、孤独を抜本的に消し去るとは考えずに、孤独との向き合い方や付き合い方を変えるという視点を持ってほしい、とも記しています。

    コミュニティについても、これまでの「所属するコミュニティ=居場所」ではなく、「接続するコミュニティ=出場所」を構築していくことを勧めています。そのためには、リアルな接点もネットの世界も活用し、但し、それだけに依存するのではなく、たくさんの依存先と選択肢を多層化し、場合によってはすぐに「逃げ出せる」ことも必要だと訴えています。

『マンガでわかる 境界知能とグレーゾーンの子どもたち1~5』 宮口幸治著 佐々木昭后作画


私の本棚 97


出版社:扶桑社
宮口幸治氏は「ケーキの切れない非行少年たち」(新潮新書)の著者。

知的障害まではいかないものの、一定の支援が必要な「境界知能」に該当する人たちは人口の約14%いるとされています。勉強や運動、コミュニケーションが苦手、やる気がない、さぼっているという誤解を受けています。また、感情面や行動面で何らかしらの課題があるものの、原因や状態がわかりにくい「グレーゾーン」の人たち。

この子たちの出すサインは気づかれにくく、「厄介な子」「不真面目な子」として捉えられることも多々あるため、そういったサインを見逃さず、いかにキャッチして支援していくかを目的に、本書は執筆されています。

支援してあげたのだから期待に応えて当然、期待を裏切る奴は許せない、というのは支援者のエゴであり、頑張れない少年だからこそ、期待を裏切る少年だからこそ、逆に支援がいるのだと訴えています。

この漫画について著者は、自著「ケーキの切れない非行少年たち」(新潮新書)が正しく理解されていない声があることに文章の限界を感じ、漫画化により、明らかに文章よりわかりやすく、楽しく意図を的確に伝えてもらえていると述べ、教育系の一般書については「これから漫画が主流になるかもしれない」とも記しています。

『先生がいなくなる』内田良、小室淑恵、田川拓麿、西村祐二 著


私の本棚 96

      出版社:PHP新書

    執筆者が、それぞれの立場から教師の多忙解消を求め、その根本的理由とされ、「定額働かせ放題」とも揶揄される「給特法」について述べています。
    教員の長時間労働問題は、子どもたちのためにこそ即刻改善しなければならない、と訴えています。

    『先生がいなくなる』内田良、小室淑恵、田川拓麿、西村祐二 著(PHP新書)

『折れない心』 橋下徹 著


私の本棚 95

      出版社:PHP新書

    著者は、現代人は人間関係にとらわれすぎている、と認識しています。
    そのうえで、まず、自分と他人が異なることの「ズレ」をむしろ積極的に受け入れること。そして、その「ズレ」を契機として、自分の意見である「持論」を構築して語り、「自分の軸」「個性」を見出すことが必要だと述べています。

    『折れない心』橋下徹著(PHP新書)

『ひきこもりの真実』 林恭子 著 


私の本棚 94

      出版社:ちくま新書

    高校生で不登校になり、その後、ひきこもりで過ごした著者は、現在、ひきこもりの支援に取り組んでいます。自らの経験も踏まえ以下のように記しています。

    就労や自立は大事だが、まずは「居場所」が必要である。そこで自己肯定感を回復し、自分なりに生きていってみようと思うことのほうが先だ。

    「ひきこもり」は「生きるための手段」であり「生きるための撤退」である。
    そもそも、この社会(学校)は出て行って楽しいと思えるような社会(学校)になっているのか。不登校児童生徒が悪いという根強い偏見を払拭し、問題があるのは本人ではなく、社会(学校)のほうかもしれない、という視点が必要であり、その人が、その人のままでも生きられる社会を作っていくことが大切だ。

    誰でもひきこもる可能性はある。そのときに充分休め、必要なときに助けを求められるような社会であって欲しい。それはひきこもりだけでなく、すべての人にとって生きやすい社会ではないだろうか。

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