『人魚が逃げた』 青山美智子 著


私の本棚 161

    出版社:PHP研究所

アンデルセンの「人魚姫」を下地に、同じ日に同じ銀座を訪れている5人の視点から構成された作品。
和光や歌舞伎座など現実の場所と、フィクション性を交錯させて描かれている。

人魚姫とこの小説に通ずる一つは、相手の気持ちや考えていることは分からないし、きちんと伝わってはいないし、人は「相手はこう考えている」と勝手に思い込んでいる、ということか。

色々な仕掛けもされていて、読後、もう一度ページを見返したくなる一冊です。