『スピノザの診療室』 夏川草介 著


私の本棚 137

    発行 水鈴社/発売 文藝春秋

主人公の雄町哲郎は、内視鏡に長けた将来を嘱望される大学病院の医師だった。しかし、亡くなった妹の子である龍之介と暮らすため、京都にある小さな原田病院に内科医として勤めることを選ぶ。そこでは診察だけでなく往診も行っている。

その診察や往診対応、大学医局から研修にやってきた若い女性医師とのやりとり、甥の龍之介との生活を通して、医師としての考え方、命との向き合い方を描いている。

スピノザはオランダの哲学者。主人公は作品のなかで、スピノザは「人間にできることはほとんどない、それでも努力しなさい」と説いているんだ、と述べています。

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『スピノザの診療室』 夏川草介 著 発行 水鈴社/発売 文藝春秋