『裁判官失格』 高橋隆一

私の本棚 38


      出版社:SB新書
       
      著者は元裁判官。本人の経験から、裁判官が何を考えているのかを記しています。
      ・裁判所が「事実として確定したこと」が事実でないことがあると、私は今でも思っています。
      ・民事事件は、多くの裁判官が「実刑判決にするか、執行猶予付きにするか」で法廷の扉を開ける瞬間まで迷っている。
      ・自衛隊や憲法判断、原発関係などの判決において、最高裁ににらまれるのではないか、政府から攻撃されるのではないか、と考える裁判官は多いことでしょう。それを裁判所が全否定できるかというと、そうとも言えないところがある。

      そのうえで、常に自問自答して、客観的な目で自分を見ること。事件について先入観のない状態で、真っさらな目で見ようとすること。それが裁判官には必要だ、と述べています。