『レーテーの大河』 斉藤詠一


私の本棚 78

      出版社:講談社

    物語は終戦直前の満州から始まります。2人の陸軍軍人によって助けられた3人の子ども。時代は流れ、この2人と3人が、やがて昭和39年の東京オリンピック前に出会うことになります。

    ストーリーは、列車からの転落事故死をきっかけに展開されていきます。

    昭和20年8月15日に終戦となり、そして復興の象徴となるオリンピックを迎え、多くの日本人はその過去を忘れて、あるいは全てを飲み込んで戦後生きていった。一方で、飲み込めない、飲み込まない人たちもいた。その思いが登場人物に描かれています。