『安いニッポンからワーホリ!』 上阪徹 著


私の本棚 112

      出版社:東洋経済新報社

    オーストラリアで暮らすワーホリ利用者へのインタビューによって構成された一冊。

    ワーホリの目的も変化してきた。まだ贅沢だった「海外」をモラトリアム的に楽しむ「昭和のワーホリ」は、英語を学ぶための「平成のワーホリ」となり、「令和のワーホリ」は現地から直接SNSで情報が得られるようになり、「稼げる」という状況もある。

    ワーホリや留学の価値は、多様性に触れることによって視野を広げ、人生観を変えられる、マインドチェンジが出来るということだ、と登場するワーホリ利用者は述べています。著者も、世界で生き抜く力を身につけておいたほうがいい、その力が「選択肢」をつくり武器になると述べ、「若者よ、今こそ海外に出よう」と訴えています。

    ただし、無計画な人たちには厳しく、海外生活の質は英語力で決まるとも指摘しています。

    日本が「失われた30年」から立ち直るには、過去の成功体験にとらわれないことであり、そのためには、海外に出て「新しい体験」をした人材が必要だ、そうでなければ日本は変われない、と著者は記しています。