『訂正する力』 東浩紀 著


私の本棚 144

    出版社:朝日新書

「じつは・・・だった」という「訂正する力」は、現状を守りながら変えていく力のことであり、過去との一貫性を主張しながら、実際には過去の解釈を変え、現実に合わせて変化する力だ、と著者は説明しています。そして、ルールを変に解釈する人間が出てきた際にも、この力がないとものごとは続かなくなる、と述べています。

そのうえで、歴史記述についても、過去を訂正しながらゆっくりとまえに進んでいくことが大事だ、と記しています。

また、ゼロかイチか、過去を否定するか肯定するか、リセットするかなにも変えないかの対立の議論になってしまう、日本の風土を変えなければならないとも訴えています。