『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ 』こまつ あやこ

私の本棚 43


      出版社:講談社
       
      娘(小6)の夏休みの宿題、「親子読書」の一冊に読みました。

      主人公は中学2年生の花岡沙弥、マレーシアからの帰国子女。クラスに溶け込もうと、人とちがうことを怖がって、周りにどう見られるかばかり気にしている。ある日、転校生の佐藤先輩から誘われ、一緒に短歌を詠むことになる。これをきっかけに、多民族国家マレーシアでの暮らしを思い出し、ちがいに対して自分を曲げて合わせるのではなく、自分が素直に生きられる居場所をみつける沙弥の気持ちが描かれている。

      佐藤先輩、主人公の気持ちが以下のように表現されています。
      「歌会に行ったら、いろんな人に会えるの。教室だけがすべてじゃないって思える。私はそれに救われたの。」「教室でたまたま毎日一緒に過ごすことになった同い年の人とうまくいかなくても、それがわたしのすべてじゃない、落ち込むことはないんだって思えたの。」「ほんの少しでも私自身を見てくれる人がいてくれればそれでいい。それ以外の人に、どう思われるかを気にしすぎていた。」