『8050問題』 黒川祥子 著


私の本棚 93

      出版社:集英社

    ひきこもり状態にある人は146万人と推計されています。
    「8050問題」とは、80代の親が50代のひきこもりの子どもを抱えている家族のこと。「7040問題」とも言われます。

    このノンフィクションは、その状況にある7家族の事例を紹介したうえで、解決に向けて次のように著者は記しています。

    ・ひきこもりのほとんどは、親との関係から生じる。そして、子どものひきこもりを社会からひた隠すことによって長期化させる。親は恥を捨て、外部にSOSを出し、家という座敷牢から子どもを解放して欲しい。
    ・地域に「居場所」を作ること、まずは日中過ごせる場所である「依存先」を増やすこと。

    そのうえで、彼・彼女たちに社会に合わせることを求めるのではなく、彼・彼女らを認め、受け入れられるよう、私たちのほうが変わっていくという視点こそ何よりも重要だ、と訴えています。