私の本棚
清水ひろしが最近読んだ本をご紹介いたします。
『舟を編む』 三浦しをん
2020年3月19日
- 出版社:光文社文庫
出版社の辞書編集部を舞台にした、辞書「大渡海」が長い年月をかけて完成するまでの小説。
学者、作成する出版社の主人公や同僚、アルバイトの学生、薄くて軽く、裏写りせず、ぬめり感のあるめくりやすい紙を開発する印刷会社、多くの情熱によって辞書は作られていることが分かります。
完成した辞書の名「大渡海」には、「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」「ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かびあがる小さな光を集める。もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために。もし辞書がなかったら、俺たちは茫漠とした大海原をまえにたたずむほかないだろう」「海を渡るにふさわしい舟を編む」 という思いが込められています。
『たばこは悪者か? ― ど~する? 受動喫煙対策』 村中洋介
『望み』 雫井脩介
『残業禁止』荒木源
『「自己肯定感」を高める子育て』 ダニエル J シーゲル / ティナ ペイン ブライソン 著, 桐谷 知未 訳
2020年2月6日
- 出版社:大和書房
自己肯定感を高めるには、「キレない力」「立ち直る力」「自分の心を見る力」「共感する力」の4つの資質が必要だ、と著者は記しています。
著書では、人間の感情を3つの状態に分けて説明しています。
人間の感情は、バランスのとれている状態では「グリーン・ゾーン」にあるが、恐れや動揺、怒り、いら立ち、恥ずかしさなどを感じると、急性のストレス反応を起こし抑えがきかなくなっている「レッド・ゾーン」、あるいは心を閉ざして内向きなってしまう「ブルー・ゾーン」に入ってしまう。
そのうえで、大人が子どもにすることは、キレてしまった時に「グリーン・ゾーン」に戻してやること、成長とともに「グリーン・ゾーン」を広げる手助けをすることだ、と述べています。