Author Archives: kogakusha
『検証ブラックアウト 北海道胆振東部地震』 北海道新聞社
- 出版社:北海道新聞社
2018年9月6日午前3時7分に発生した北海道胆振東部地震に伴い、北海道全域がブラックアウトに陥った。その時に起こった事象をとりまとめた一冊です。
電気がなければ、信号も消える、携帯電話の充電が出来ない、コンビニでも電子決済が使えない、緊急通報システムが作動しない、患者の人工呼吸器装置が動かなくなる・・・ さまざまな影響がでます。
電源集中の課題、広い供給網、電力小売り自由化、風力・太陽光、液化天然ガス(LNG)などのエネルギー源、等についても書かれています。
この他にも、ネットで流れるデマ情報、災害協定が機能しない状況、心理的ケア等、地震による様々な影響や被害の実態が分かります。
あとがきには、「災害は平時から弱い立場にある人をさらに困難な状況に追い込む」と記されています。
『行動経済学の使い方』 大竹文雄
『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ 』こまつ あやこ
- 出版社:講談社
娘(小6)の夏休みの宿題、「親子読書」の一冊に読みました。
主人公は中学2年生の花岡沙弥、マレーシアからの帰国子女。クラスに溶け込もうと、人とちがうことを怖がって、周りにどう見られるかばかり気にしている。ある日、転校生の佐藤先輩から誘われ、一緒に短歌を詠むことになる。これをきっかけに、多民族国家マレーシアでの暮らしを思い出し、ちがいに対して自分を曲げて合わせるのではなく、自分が素直に生きられる居場所をみつける沙弥の気持ちが描かれている。
佐藤先輩、主人公の気持ちが以下のように表現されています。
「歌会に行ったら、いろんな人に会えるの。教室だけがすべてじゃないって思える。私はそれに救われたの。」「教室でたまたま毎日一緒に過ごすことになった同い年の人とうまくいかなくても、それがわたしのすべてじゃない、落ち込むことはないんだって思えたの。」「ほんの少しでも私自身を見てくれる人がいてくれればそれでいい。それ以外の人に、どう思われるかを気にしすぎていた。」
『「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる』 鴻上 尚史
『論理的思考力を鍛える33の思考実験』北村良子
『薩摩燃ゆ』安部龍太郎
『ザ・ロイヤルファミリー』早見和真
『裁判官失格』 高橋隆一
- 出版社:SB新書
著者は元裁判官。本人の経験から、裁判官が何を考えているのかを記しています。
・裁判所が「事実として確定したこと」が事実でないことがあると、私は今でも思っています。
・民事事件は、多くの裁判官が「実刑判決にするか、執行猶予付きにするか」で法廷の扉を開ける瞬間まで迷っている。
・自衛隊や憲法判断、原発関係などの判決において、最高裁ににらまれるのではないか、政府から攻撃されるのではないか、と考える裁判官は多いことでしょう。それを裁判所が全否定できるかというと、そうとも言えないところがある。
そのうえで、常に自問自答して、客観的な目で自分を見ること。事件について先入観のない状態で、真っさらな目で見ようとすること。それが裁判官には必要だ、と述べています。