私の本棚
清水ひろしが最近読んだ本をご紹介いたします。
『そのマンション、終の住処でいいですか?』 原田ひ香
『砂の女』安部公房 /『100分de名著 安部公房「砂の女」』
『関東大震災』 吉村昭
『緑内障の真実』 深作秀春
『22世紀の民主主義』成田悠輔
『レーテーの大河』 斉藤詠一
『人の心に働きかける経済政策』 翁邦雄
『デジタル・ファシズム』 堤未果
2022年9月5日
- 出版社:NHK出版新書
デジタル改革の名のもとに、日本の国家機密や個人情報が他国や海外巨大企業に流出していくことを指摘しています。怖くなります。
また、我々は自ら選んでいるつもりでも、実は、情報を提供している私企業によって選ばされていると述べています。
著者は教育分野でのデジタル化にも触れ、情報過多によって想像力が狭まることを懸念したうえで、GAFAは個人情報やプライバシーだけではなく、私たちが自分で自分の行動を決める「未来を選択する権利」をも奪っていると述べています。
なお、自分で情報を探すことの重要性を実践している例として、荒川区の学校図書館活性化計画が取り上げられています。
『なぜ日本の野党はダメなのか?』 倉山満
2022年8月19日
- 出版社:光文社新書
政党についての戦前から現在に至る流れと時々の動き、あわせて各党への批判が記されています。
一瞬にして言動が変わるのが自民党政治の真骨頂だと指摘し、過去の言動などなかったことにするのが伝統と化している。しかし、有権者の選択肢がないため、むしろ「自民党を批判しても仕方がない」との風潮にまで至っていると述べています。
そのうえで、「最低でも二つの選択肢がなければ、選挙などやる意味がありません。選択肢が一つしかないということは、一党優位を生みます。そして、その一党は無限大に腐敗します。代わる選択肢がないので、何をやっても与党でいられるからです。健全な批判勢力があるから民主政治です。政権担当可能な野党第一党があるから、与党も油断できない。それでも弛緩するなら、選挙で与党から叩き落とせばいい。」と論じています。
そして最後に、もう「野党がダメだから自民党に入れるしかない」という政治は嫌だと有権者は主張すべきだと、まとめています。
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「倉山満『なぜ日本の野党はダメなのか?』 / 光文社新書」